歴史を共有しているから同じ方向を向いていられる

本日、とある相談員の方と打ち合わせをしました。
来月の城陽市障がい者自立支援協議会サービス調整部会で事例発表をしていただく方です。

他市の事例から学ぶという目的で京都市のケース事例を紹介します。
そらいろも開業時から関わらせていただいているケースです。

引きこもり、緊急入院、活動場所探し、数年にわたる散髪の促し、緊急通院、余暇支援、就労支援、健康維持支援、生活支援・・・
あらゆる面で支援をさせていただいているケースです。
利用されているサービスは行動援護、居宅介護なのですが、サービスの枠組みにとらわれない支援内容となっています。

それは必要な支援を行ってきた結果です。
時には即座な対応が求められた日もありました。
「今動かないと!」という場面が何度もあり、その都度、現場対応で切り抜けてきました。

相談支援専門員、ヘルパー事業所、通所先、医療機関、地域の皆様などなどが一体となって一人の方の生活を支えています。
それは今日も明日も続く現在進行形の支援です。


そらいろが関わり出して8年が経ちます。
今回、事例発表という形で紹介しようと思ったのは、一度立ち止まって振り返ってみたいという思いがありました。
また、このケースを城陽市で紹介したいという思いもありました。
『行動援護』というサービスを柔軟に活用することで、とても手厚い支援を行うことができるということを広く知っていただきたいからです。

「〇〇というサービスでは、このような支援はできません」
このように行政側から言われることはあります。
もちろん法令遵守ですので、我々も不正なことは行いませんが・・・
目の前に困っている方がいて、それをサポートできる体制が整っているとしたら・・・
制度側が元々想定していないだけの事態が起こったとした場合、それは制度に実態を合わせるのではなく、実態に合わせて制度を運用することも必要なのではないかと思います。

そういうことを行政の方も巻き込んで丁寧に進めてきたのが今回紹介するケースです。
関係機関の事業所がチームを組み、支援の方向性を共有しているからこそ、ブレない支援を行うことができます。
利用者本人に何かのトラブルが起こったとしても、それに気づいた支援者が即座に対応することができます。
「〇〇が起こりましたが、どうしましょうか?」と相談員に確認を取ってから動くことはありません。
即座に適切な対応を行い、迅速に解決に導きます。
対応後に関係機関へ連絡を行い共有します。
このことで、その後に起こった事態についても他機関であっても同じように対応できています。

「このケース、関係機関がしっかりされているので相談支援は不要ですよ」と相談員の方は言われました。
それは違います。
各々の機関が柔軟に動けるのは、関係機関が繋がっているからです。
そのつながりの中心にいるのは相談員の方です。

相談員の指示を仰ぐ必要はないですが、お互いの役割を尊重して連携していますので報告は行います。

「いろいろなことを乗り越えてきましたね」
「この支援の歴史を共有しているから、支援の方向性が共有できているんでしょうね」
そう確認し合いました。
素晴らしい連携だと思います。

支援が安定している今こそ、将来の生活を見据えた支援を行なっていく必要があると確認もしました。
マイナス状態を通常に戻す支援を数年間は続けてきましたが、これからは将来に向けて上乗せしていく支援を行いたいですね。
一人暮らし、グループホームでの暮らしなど、本人が望む生活のあり方を共に考えていけるような支援者集団になっていけるのではないかと思います。


来月の事例発表が楽しみになりました。
発表することで新たな気付きも生まれるでしょう。
そうして支援体制はバージョンアップしていくのではないかと期待します。

とりとめもないフワッとした記事になってしましましたが、久々に心が熱くなるような打ち合わせができて嬉しかったです。
やっぱ、福祉の仕事って良いものですね。

by tumanokokoro | 2019-09-18 23:19 | 大切にしている事 | Comments(0)

NPO法人ゆう・さぽーとが運営する『ヘルパーステーションそらいろ』が行う活動、ヘルパー支援の様子、代表の考え等を綴ったブログです。


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