iPS細胞なんて
2012年 10月 10日
先日、京都大学の山中教授がノーベル賞受賞を決められましたね。
素晴らしいですね。
私はiPS細胞について詳しく知りませんが、これにより多くの助からなかった患者さんの治療に光が見えるということは聞きました。
現代医学は日々、進歩していますしね。
不治の病が、治る病になってきていますもんね。
私の妻は膠原病で京大病院に通っています。
iPS細胞研究所の前は何度も通っていますし、なんだか身近に感じます。
膠原病は完治しない病気として、国が難病指定しています。
50年前は命に関わる病気でしたが、今は命には関わらない病気になっています。
でも、治る事はありません。
私は妻に何気なく「iPS細胞で膠原病も治ればいいのにね」と言いました。
すると妻は・・・
「別に、いいよ」と一言。
何気ないやり取りでしたが、私は胸を打たれる想いがありました。
妻が病気になって、約7年。
この間、膠原病が再燃し、長期入院を繰り返した事もありました。
それをきっかけに私は起業した訳ですが。
「妻の側で自分の好きな仕事をしながら生きていく」ことが私の起業の目的です。
夫婦二人の名前から『ゆう・さぽーと』を付けました。
そして、下を向かず、空を向いて生きていく為に『そらいろ』と名付けました。
妻は病気になってから、同じ病気の友人や入院の際に仲良くなった人達等、病気にならなければ出会わなかったであろう人達と出会いました。
病気で辛い時期を乗り越え、今はバイトに行けるくらい元気になっています。
病気といい感じで付き合いながら生きています。
『障がいとは周囲との関係性の中で生じるものである』と考えるならば、今の妻には障がいはありません。
病気はあっても、それを生きる上での障がいにしていません。
だから、「別にいいよ」と思えたのではないかと。
「病気が治るに超した事はないけど、今のままでも問題ないよ」という事なのかもしれません。
私が思うより、数倍強くなっていた妻を感じました。
「妻を守る為に、起業した」というのは私一人の思い込みでしたね。
妻に守られて生きているのは、私の方かもしれません。