支援は会議室で起きてるんじゃない!
2012年 07月 15日
障がいがある方の外出支援は、会議室で起きているんじゃない。
現場で起きてるんだ!
何のこっちゃ・・・
今日のプールへ行った支援を振り返っています。
利用者さんは知的障がいで自閉症の男の子です。
今日は3〜4回目の支援になります。
初回の支援からアセスメントを重ね、支援方法の工夫を行いながら進めてきました。
『自閉症の方への支援』という事ばかりが、私の頭の中を駆け巡り・・・
予定の伝え方はどうか・・・
コミュニケーション方法はどうか・・・
タイマーを使って、視覚的に待ち時間を伝えてみようか・・・
利用者さんの理解力や興味関心に合わせて、スケジュールを組み、外出中に想定される行動への対応策を練り上げ、私の頭の中でシュミレーションを繰り返し・・・
私が事務所のデスク上で考え上げた支援方法について、マニュアルを作ってみたり・・・
この間の私はデスクやパソコン前での葛藤が続きました・・・
そして、今日の外出支援を迎えました。
完璧な予定の組み立て、行動予測のおかげで、利用者さんは衝動的な行動や不安定な行動に至る事はありませんでした。
穏やかで、楽しい一日を過ごしてもらえました。
今日の支援が上手くいった原因は何でしょうか・・・?
支援前の準備が万全だった事でしょうか?
それも、あるでしょうけど。
私は準備した支援グッズは半分以上使いませんでした。
タイマーや気分転換グッズなどなど、私のカバンの中で眠ったままでした。
私は、今朝、利用者さんに会って、駅に向かう道の途中で、言葉遊びを楽しみました。
「近鉄電車、何行き??」と利用者さんに聞かれ。
「京都行き」と私が答えます。
「何両編成?」と聞かれ・・・
「123両編成!」と答えると、
「違うよ。4両編成」と返してくれました。
こんな何気ないやり取りを続けているうちに、なんか楽しくなってきてしまい・・・
冗談を言い合いながら、過ごしました。
衝動性が強かった、駅構内でも・・・
「電車、行ったねえ。車掌さんにお礼言わなあかんねえ」と私は声をかけ。
「ありがとう!車掌さん」と答えてくれる。
何でもないやり取りですよね。
子持ちのお父さんなら、当たり前にしているような交流だと思います。
支援は現場で起きているんだなあ・・・
本当に思いました。
事務所のデスク上だけでは、何も分かりません。
現場で感じた事を、振り返って体系的にまとめ、他のスタッフに伝えていき、支援者間で共有して行く事が大切ですね。
また、今日の支援が上手くいった一番の原因は、私の心の壁が解けた事もあったかもしれません。
私の目の前にいたのは『自閉症の少年』ではなく、世界にたった一人のKくんでした。
デスク上で考えてしまうと、障がい特性について考えすぎてしまいます。
私だけかもしれませんが・・・
対人援助の基本は、個別化ですね。
前に研修で習った事を、深く噛み締める事もできました。