回転寿司に行ってはいけない
2014年 12月 01日
「回転寿司が禁止されたんや」
「でも、ハンバーグやったら良いと言われたし♩」
ヘルパーが利用者さんから聞いた話です。
回転寿司がダメで、ハンバーグが良いという理由はなんでしょうか?
それは分からないようです。
「自分で買い物に行ったあと、残金が1円でも合わなかったら怒られるんです」
「お出かけ(ガイヘル利用)の回数を減らすように言われたんや」
こんな話を聞かせていただくこともあります。
これらの話は一人の方からではなく、複数の方から同じような内容の話を聞きます。
そして、これらの愚痴をヘルパーに漏らされるのは、全て大人の利用者さんです。
40〜60歳代の方で、一人暮らしをされている方からも聞きます。
『施設から地域へ』と障がい者支援の方向性は動いており、施設を出て地域で暮らす方は増えてきています。
一人でできない部分は周囲の支援を受けながら暮らすライフスタイルが確立しつつあります。
家事援助や身体介護はヘルパーさん。
外出の支援もヘルパーさん。
生活の悩み事は相談支援専門員さん。
お金の管理は権利擁護さんや後見人さん。
その他、通所施設の職員さんなども支えてくれます。
困ったときは助けてくれるという環境は頼もしいものですが・・・
言い方を変えると・・・
自分の生活は常に誰かに見られている。
健康で文化的な生活を継続するため、健康や生計を脅かす要素は生活から取り除かれているようにも思います。
「運動不足なので歩かせる活動をさせてください」
このような依頼を大人の利用者の関係機関の方から聞かせていただくことは多くあります。
誰の人生なのでしょうか?
誰が主人公なのでしょうか?
好き勝手生きて、不健康な人生を生きることをサポートするつもりはありません。
反社会的な行為を容認するわけでもありません。
知的障がいにより、社会生活を送る上で分かりにくいことは多くあります。
適切な判断ができないこともありますし、失敗もあります。
生活習慣病にかかり、好きな食べ物が制限せざるをえなくなり、自分でコントロールできないから周囲が制限しないといけないこともあるかと思います。
本人の意思に添えないことはあります。
でも、支援者は分かるように説明をするべきではないでしょうか?
そして、禁止すべき事項がある際には、その理由を伝えるべきではないでしょうか?
本人と関係機関が情報を共有して、同じ方向を向いて支援していくことが必要ではないでしょうか?
回転寿司がダメで、ハンバーグが良いという理由は分かりません。
主治医からの指示でもありません。
医学的な根拠はないわけです。
先日の勉強会の中で聞いた言葉が頭に浮かびました。
「障害者としてではなく、人として当たり前に生きていく」ことを支えていきたいものです。