型にはめる支援にならないように・・・
2014年 03月 17日
「生活リズムを作って、安定した生活が送れるように、週5日で通所を考えています」
「安定した通所を持続するため、毎朝の身体介護で身支度の支援ができるようにしたい」
「移動支援の時間数が多すぎるので、他の事業を使いながら時間数を抑えていきたい」
これらの言葉は、支援者側から発せられたものばかりです。
言われるのは相談支援員、福祉事務所の職員、福祉事業所の職員などの福祉関係者です。
全て、障がいを持つ利用者さんの事を想っての発言です。
熱心な相談員の方等が、良く言われるように思います。
週5日の通所と週末のガイドヘルプ、住まいの場はグループホーム。
「働きたい」というニーズには就労支援をもってくるような→こちら
これが『障害者の生活』の理想像みたいになっているような気がしているのは、私だけでしょうか・・・
障がい児の場合、学校後の過ごしは『放課後デイサービス』や『日中一時支援』『移動支援』などを利用。
成人になると、通所施設(就労系、介護系)と移動支援などの支援で生活を支え・・・
家族の介護力が低下すると、ショートステイや居宅介護などの支援で支え・・・
そのうちグループホーム・・・
又は施設入所・・・
いつの間にか『カタチ』ができているような気がします。
20年前には存在しなかったサービスが制度化されています。
これは、悪い事ではないと思いますが。
制度も何もなかった時代は、障害者福祉は『目の前の方』のニーズに応える事が我々の使命でした。
目の前で困っている方の力になる為に、必要な支援を行うこと。
この実践の積み重ねが、新たな制度を創っていくという流れでした。
措置費制度から支援費制度に移行した頃、「これからの福祉を創っていくのは現場の実践なんだ」と実感できる時期でした。
厚労省から『グランドデザイン』なるものが出されたとき、これからの障害者福祉のカタチに期待した事を覚えています。
それが、今・・・
今の福祉制度のカタチは、支援費制度の頃よりはしっかりしたものなのでしょうけど。
計画相談によるサービス等利用計画を全ての障害者に!
これって、実は障害者の生活を福祉サービスで管理することにはならないでしょうか→こちら
「重度の知的障害者の生活は、生活介護とグループホームと重度訪問介護で支える」
「在宅の強度行動障害者の支援は行動援護事業者が中心にアセスメントを行い、構造化した支援を基本に行動の安定を図り、安定後は重度訪問介護で包括的に支える」
このような支援のカタチが作られ、それに個別のケースを当てはめるだけの計画相談になってしまったら・・・
本来は障がいがある方の一人一人のニーズに沿って、その人に合わせたオーダーメイドの支援を行うべきだと思うのですが・・・
どんなに制度が整備されたとしても、全ての人のニーズに応えられる制度はできないと思います。
制度だけでは、応えられない個別のニーズがあるのだと思います。
制度に人を当てはめるのではなく、人を中心に制度を活用する支援を行えるように。
ニーズが制度やサービスを生んだとしても、それをメニューに載せる事業者が無い限り意味が無い、事業者も採算を考慮した事業展開するのも当然のこと。実際に支援する「支援する側の都合」はけっして無視はできないと思います。
当事業所は利用者ニーズに合わせた支援を実施する事を忘れず、励みたいと思います。公費で行わない事業の展開を考えていますので。