地獄への誘い
2012年 11月 07日
真っ赤な血の池地獄です。
大分出張にて、任務を果たした後に別府観光をしました。
せっかくの温泉県の大分にやってきましたので、別府を見ない訳にはいきません。
別府には『地獄巡り』という観光コースがあります。
海地獄、鬼石坊主地獄、山地獄、かまど地獄、鬼山地獄、白池地獄、血の池地獄、龍巻地獄の8つの『地獄』を巡ります。
『地獄』『鬼』などの怖い言葉が並びますね。
別府では温泉の噴出口の事を『地獄』と呼んでいるようです。
「近寄る事ができない、忌み嫌われた土地」という意味らしいですが・・・
それにしても、地獄とは・・・
パンフレットや看板には『ようこそ、地獄へ』と書かれています・・・
見た目も地獄っぽいですし、怖いですね。
なぜかワニやピラニア、象などの動物も飼われていました。
そんな地獄巡りをしながら、昔に支援していた利用者さんを思い出しました。
とっても恐がりで、言葉に敏感な知的障がい・自閉症の利用者さんでした。
私と同世代のその彼とは、日本各地へ旅行に行きました。
金沢、高知、岡山、富山、箱根、伊豆半島など。
思い出がいっぱいです。
いつかは別府温泉にも行ってみたいと思っていましたが・・・
言葉に敏感で恐がりな彼にとって『地獄巡り』は・・・
どう受け止めるのでしょうか。
以前、施設内で作業をしている時に、工事の業者が天井の点検をしていました。
そして、その業者さん同士の会話で、「この天井、てっぽう打っておくか」とありました。
それを聞いた利用者さんは、青ざめた顔で必死にその場から逃げ出されました。
「てっぽうを打っておく」という言葉から危険な香りを察しられたのでしょう。
恐らく『てっぽう』は何かの業界用語だったんでしょうけど・・・
そんな彼に「今日は地獄巡りに行きましょう」なんて言おうもんなら・・・
パンチが飛んで来るかもしれません。
誰が好き好んで地獄へ行くでしょうか・・・
地面から吹き出す蒸気、沸き立つ熱湯、吹き出す温泉、煙・・・
見た目もえげつないですしね。
臭いもきついし。
冷静に考えると、地獄巡りって何が楽しいんでしょうかね。
もし、この温泉の吹き出し口は「いつ爆発するか分かりません」と言われたら、誰も悠長に見物してないでしょうしね。
安全と分かって見るから、自然の力を楽しむ事ができるのでしょうね。
そんなことを考えながら、大分出張の中で楽しいひとときを過ごさせていただきました。
明日からは、通常業務に戻ります。
現実との戦いですね。