福祉の力
2011年 12月 27日
この利用者さんとは、先週の訪問時に「来週は鍋をしよう」と約束をしていました。
どうやら鍋パーティをする事はできず、入院される(させられる?)ようです。
夏頃から引きこもりになり、最近は問題行動と見られる物投げが見られ、緊急カンファレンスが開かれ、私も出席しました。
そのカンファレンスの場で、私は「本人の意思を無視したような対応は避けるべき」と意見し、その後の訪問で利用者さんの心の声を引き出せるようにコミュニケーションをしてきました。
そして、物投げはなくなり、一緒に鍋パーティをする運びになりました。
鍋の具材も利用者さんと一緒に買いに行くという約束で。
「来年は良い年にしたいな」と話す事もありました。
少しずつ心の扉を開こうとしていた時に・・・
精神病院の入院。
引きこもりになられた経緯から、周囲の人間に不信感を持たれていた利用者さんは、親や相談員の方へは、まともにコミュニケーションを図られていませんでした。
その事からも、周囲の福祉のプロ達は、福祉か医療機関への短期入所を考えていました。
状況から見れば、やむ得ない判断だったのかもしれませんし、私自身の力不足も感じます。
近日中に強制入院になるようですが、当の本人は状況を理解されていません。
いきなり、外に出されて、入院させられるのでしょう。
入院を手配した相談員の方から、「退院後の地域生活支援は、お願いします」と言われました。
カンファレンスでの私の意見を無視する判断を下した事、その判断の前に相談していただけなかった事を考えると、もう関わりたくないケースではあります。
しかし、利用者さんの事を考えると・・・
約束していた鍋もありますし。
それにしても、一人の人間を入院させる事もできるとは、福祉の力とは恐ろしいものだと感じました。
精神病院の入院を否定はしません。
入院を手配した相談員も攻めません。
ただ、残念な結果になってしまった事が悲しいだけです。